家庭内施術

家庭内施術についてご説明いたします。

01家庭内セラピストの必要性

後遺症からの回復を実現させるためには施術の量が必要になります。

マヒ側の腕は乾いた餅のように固まっていますから、これを柔らげ血管を拡げていく上で、毎日少しでも多くの血液を腕に送り込む作業が欠かせません。

家庭内施術においては、毎日かまたは週四日程度を目安に施術を続けていく事で、硬くなった筋肉組織を柔らかくしていくことが物理的に可能となります。

施術の特徴として

  1. 対象は痙性麻痺に限られます。程度としては、マヒ側の手で箸もしくはスプーンが扱える軽中症ほどの患者さまが相応です。
    下肢は程度を問わず、道具を用いた自主リハビリになります。
  2. 習得の難易度はやさしいです。ただし軽症なら半年、中等症は二年程、継続して施術に取り組める環境と体力が必要になります。
  3. 施術は行った分だけ効果が現れます。先先の計算ができるところが長所ですが、短所はその継続により施術者、患者の拘束期間も長くなってしまうことです。
  4. 受講者を家庭内セラピストとして育成します。※医療、介護や介助に携わる人にも個人として対応しています。

02必要とされる条件

環境

施術は行った分だけ目に見える形で症状が改善されます。先先の計算がある程度できますが、施術者、患者様の拘束期間も長くなってしまい継続できる環境が必要となります。

ベストな環境は受講者さまが患者さまと同居されている、もしくは患者さま宅に通える距離に住んでいる。患者さまと受講者さまの関係は、家族かそれと同じように親しい間柄(医療、介護介助に携わる個人を含む)である等が必要です。

腕力

施術自体は単調な作業の繰り返しではありますが、ある一定以上の腕力が必要とされます。目安としては、一般成人男性あるいは同等の腕力を持たれている方、高齢(60歳くらい)に差し掛かかっている場合は長年力仕事をしてきて自信のある方が、受講者として適正です。

一般的に女性の場合、男性と比べるとどうしても「腕力が弱いため」、やり遂げることは難しいと想像します。仮に挑戦されても目標達成が困難なだけでなく、もし手や腕に怪我をなされますと、最悪、患者さまの介助も困難ともなれば、最初から取り組まなければ良かったという事にもなりかねません。

あくまで原則はという縛りでありますが、家庭内セラピスト(受講者)は一般成人男性を目安に設定されています。

03注意事項

痙性麻痺

以下の点にご注意ください。

  • 当院の施術は代替療法であり、医療類似行為、民間療法に分類されるものです。
  • 施術による効果は必ずしも痙性麻痺からの回復を保証するものではありません。ご希望に添えないケースもあります。
  • まずは硬くなった筋肉に弾力を取り戻すことから始めます。負荷のかかるトレーニングとの併用は推奨していません。
  • 重度の動静脈瘤がある、心房細動がある、透析をしている等、血栓症あるいは脳卒中再発の恐れがある場合は施術の対象外となります。

04同意事項

以下の点に同意お願いします。

  • 主な治療は主治医による健康保険を用いた標準治療であり、施術はその補助的な役割を担うものと承知しています。
  • 患者さまの体調不良及び異変が見られた場合、直ちに主治医による診察と治療を受けることを約束します。
  • 施術の直接指導をうける際、胸部周辺(鎖骨の下や脇の下)に触れられることを承諾します。
  • 必要とされる条件、注意事項にある事柄のすべてを自己責任において判断して実行することを約束します。

ご協力のほど、宜しくお願いします。

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